資質。そして決心




やれるんだわ!あの椿姫と同じことを……


──────ガラスの仮面第一巻 P61


 ひとりのドワーフ(59歳)がボソッとつぶやいた。
「おれ、勇者になりたい」

彼の名はUlulum。彼はHero(英雄)でもDemigod(半神半人)でもない。Peasantだ。

意味・Peasant 【名詞】開発途上国などの小作人,小作農,小百姓 【解説】 小さな土地を耕す農民か,または雇われ農民のこと。

Ululumの両親もPeasant(小作農)だった。
祖父母もPeasant(小作農)だった。
両親は、ある日、食料が無くなったので肉を得ようとAsp(アスプコブラ)狩りに行った帰り道、
Forest spider(森の蜘蛛)のAmbush(待ち伏せ)に遭い死んだのだった。
祖父母は、ちょっと川の様子を見に行った際に足を滑らせて溺死したのだった。

そんな家庭で育ったUlulumだったが、彼にはなぜか、勇者になれるという自信があった。
Ululumは村の畑を守る自警団(Guard Guild)に入って色々学んでいたし、

注・Guard Guild。鎧と盾と戦術を効率よく学ぶことができる。Willpower(意志の力)で怪我をしてもある程度耐えて動き続けられる。

それに、(農作業で鍛えられた)筋肉質な体と耐久性、そして持って生まれたドワーフ離れした敏捷性、これら自分のAttribute(資質)をいつも同村の友人たちに自慢していたからだ。

yuushaattribute.png

さらに、Ululumはどこから手に入れたのかSerrated Gold Spear(ギザギザの金の槍)を持っていたので、
「金の槍。。なんかすごい。これは勇者になれと神様が言っているのかもしれない」
と、明後日の方向に思いが飛躍した。
そして、Ululumは旅立った。

でもやっぱり村の外は危なそうなのでまずは村の近くで特訓をすることにした。

特訓




それまでは地球が世界の中心だった。
ところが天文学は、宇宙には絶対的な中心なんかない、ということを実証した。


──────ソフィーの世界 P270


Ululumが勇者になることにしたその日、村を出てしばらくして彼は遠くにRhinoceros(サイ)の群れがいるのを見た。彼は遠くからじっと眺めた。
Ululumは、もうそれ以上は一歩も、前に進もうとは思わなかった。勝てる気がしないというか村の外の世界で生き残れる気がしなかった。

「怪物に向かっていって槍で刺すとか怖すぎるよ。ネズミを刺すのも怖いのに」

Ululumはそう思った。

動物愛護団体に参加し平和主義者であり反政府主義者でもあり勇者を目指しているUlulumとしては当然の結論だった。
そこで、安全なところで勇者になるための特訓をすることにした。 Ululumがまず始めたのは誰も傷つけないで済むスピードアップの訓練だった。
Ululumが画面下部を見るとSPEED:1140と書いてある。
「父さん母さんがSPEED:1300くらいでForest spiderに殺られたらしいから、おれが1140なんかで外出したらヤバイとおもう。ほんとに死ぬかも」
そしてUlulumは父母のスピードを上回るべくスピードアップの訓練を始めたのだった…。

まずその辺の地面の石を[g]で探す。。 ない。もっと探す。ない!あった!あったぞ! SMALL LIMESTONE ROCK だ!拾う!全部で 2個拾う!
そして自動で Backpack(背負い袋)にしまう!あっ!しまっちゃだめだ!Backpackから[r]で取り出す!
そして [x]C: CREATEからMAKE SHARP ROCK[Enter] を押す!続けざまに SMALL LIME STONE ROCK [Enter]を二度押す!
画面下部に YOU MAKE A SHARP LIMESTONE. (とがったLIMESTONEが一つできました)の表示が出た!
次に [t](投げる対象を選択するキー)を押す! SHRP LIMESTONEを選択する!テンキーや矢印キーでひとマス先のタイルにカーソルを合わせ[Enter] を押す!投げた!
ここで[z]を押すとTHROWERARCHERに経験値が入っているのが確認できるぞ!これを10回も繰り返せばSPEEDが1〜2上昇する!

もうめんどくさいのでマクロを設定しよう!
「えーっと。[Ctrl]+[r]を押してから、さっきの石を拾って削って投げる一連の動作をし、もう一度[Ctrl]+[r]を押せば記録完了かあ。そして[Ctrl]+[p]を押せば実行」
「さらに[Ctrl]+[u]を押して[9]を二回押して[Ctrl]+[p]と押せば99回連続で繰り返してくれるのかあ。この時マウスを動かすとマクロが止まっちゃうのね」

こうしてUlulumは何百回も石を削っては投げ削っては投げ血の滲むような勢いで投げ続け SPEED:1600にまで成長した。

「休憩しよ。腹も減ったので[e]を押しCave Oyster(牡蠣。なぜか最初から持っていた。)でも食べよう」
「腹が空きすぎるとUnconscious(気絶)しちゃうからねたぶん」
「水も飲もう。同じように[e]を押してWaterをゴクゴクっと。」
「ついでに川で水を補充しておこう。川の隣で[I]を押してWaterskinを選んでっと……。」
「今何時だろ[W]で太陽の位置を確認。ああもう夕方だ門限きちゃう帰ろっと」

こうして色々頑張って眠くなった村人Ululumは村の最寄りの民家で無断で寝ることにしたのだった。
[Z]を押して[s]を押して[d]押して[Enter]で日の出直前まで眠る。
え?誰か話しかけてきた。勝手に人の家で寝るなということですね。わかります。
PERMISSION TO STAY FOR A DAY(一日泊まる許可を得る。)で許可を得て、GOODBYEで会話終了させて、もっかい[Z]押して就寝。
zzz……
翌朝、他人の家で目の覚めた勇者Ululumは辺りを見渡してぎょっとした!
なんと寝相の悪い村人たちに囲まれて身動き取れなくなっていたのだ。村人たちに起きる気配はない。なんて奴らだ!
「[s]を押して村人かきわけて移動するしかないか……」
村人かきわけ移動したUlulum。やることないのでそのままゴロゴロしながら人の家のPCで無断でインターネットでようつべ動画を見ていたら
勇者らしく装備が欲しくなった。勇者というのは装備を欲しがるものなのだ。
「盾欲しい!盾!盾!」
「とりあえず木の盾が一番手頃かな」
「材料にする木が要るなあ。木を切り倒すための斧も要るし」
「よし。まず石で斧を作ろっと。石斧。めんどくさいけど盾欲しいし」
石(なんの石でもいいけどまたLIMESTONE)を2個拾って [x]C: CREATEからKNAP STONE AXE[Enter] を押す!
続けざまに[Enter]二回押して石2個を選ぶ!
よし!画面下部に YOU MAKE A SIMPLE LIMESTONE AXE. (シンプルなLIMESTONEの斧が一つできました)の表示が出た!
そして今度は盾を作るための材料(木材)を作るのだ!また[x]押してC: CREATEから今度は一番下のGATHER WOOD[Enter] を押す!
さらにSIMPLE LIMESTONE AXE[Enter] を押す!
これで木材(PINELOG)が一つ手に入った!全部で木材は二ついるのでもう一つ作っとく!全部で2つのPINELOGを手に入れた!
さてここからが大変。適当な最低3x3以上の空き地を見つけて[Ctrl]+[t]を押す!

ctrlt.png
shieldsakusei.png

あとは画像の手順でやればできるはず!

この機能で使うキーは、[Ctrl]+[t][Shift]+[t][Shit]+[r][Esc][Alt]+[矢印][.]キー[Enter]くらいのものです!

このモードはADVFortとかなんとかいう名称らしいです。完璧ではなくFarmer's Workshop他いくつかのものが機能しません!
しませんがWooden Round Shield(木の盾)くらいは問題なく作れます!
Tanner's Shopでskin(動物の生皮)をLeather(皮革)に加工してから、
そのLeatherをLeather WorkshopでWarterskin(水筒)やQuiver(矢筒)や
他の皮革装備に加工することもできます!たぶん!

ということでUlulumは念願の盾を手に入れた!なんて勇者っぽいんだろう。。Ululumは感動した。しかしUlulumは足るを知らなかった

食欲・物欲・地位欲




Content is the philosopher's stone, that turns all it touches into gold.
(満足は賢者の石。それは触れるものすべてを金に変える)

──────Thomas Fuller


UlulumはArmor(鎧)やGauntlet(篭手)やGreaves(脛当て)が欲しくなった。
盾を手に入れそのカッコよさに我を忘れ、もっとカッコイイものが欲しくなってしまったのだ。
それに盾を手に入れたことでその辺の動物には負けない気がしてきた。
「余裕だろーこれ」 Ululumは思った。さらにこう考えた。
「それに勇者を目指すということはかっこ良くなるということだ。勇者=カッコイイ=盾=鎧という連立微分方程式も成り立つ」
今やUlulumは本気で勇者を目指しているかのような勢いだ。
もはや自分がPeasant(小作農)で祖父母は近所の川に滑って落ちて死んだということも忘れているかのようだった。


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